OpenAIのAI開発プロジェクト「Q*(キュースター)」はAGI(汎用人工知能)なの?【情報ソース求】

  • 2024.04.19
  • AI
OpenAIのAI開発プロジェクト「Q*(キュースター)」はAGI(汎用人工知能)なの?【情報ソース求】

ChatGPTの発表から、AIの代名詞になりつつあるOpenAIですが、そのOpenAIが進めているプロジェクトの「Q*(キュースター)」はAGI(汎用人工知能)の話とセットで耳にしている方も多いのではないでしょうか。

「Q*(キュースター」とAGIを調べました。

「Q*(キュースター)」とは

Q*(キュースター)は、OpenAIのプロジェクトで、数学問題を解決する能力を備えたAIとされています。

「極秘プロジェクト」とされていたりで、正式な発表や情報ソースがほとんどなく、2023年11月のサム・アルトマン解任騒動など、OpenAI関連の報道の裏の噂話として取り扱われています。噂の出どころなどの根拠が乏しい情報ではあるものの、OpenAIスタッフのSNSから漏れ聞こえてくるものや、これまでの報道から、その存在を否定していない姿勢などから公然の秘密的な存在となっています。

アルトマンの解任騒動の報道の中でQ*の記載のある書簡の存在があるというのは、喫緊のニュースで目にしたものです。

数学問題を解決する能力を備えたAI

具体的な像としてQ*(キュースター)は、「数学問題を解決する能力を備えたAI」とされています。この数学問題を解決する能力が現在のLLMのAIにおける1つのブレイクスルーとして注目されている点で、そこにアルトマンと周りとのAI倫理の溝の話が、Q*(キュースター)を未知の化け物のように見せる装置になっていたりします。

数学問題を解決する能力を備えたAIがAIのブレイクスルーとされている理由は

  • 数学は、人間の知能を示す重要な指標である
  • 数学は、さまざまな分野の課題を解決するために必要である
  • AIが数学の問題を正しく解くためには、論理的思考や推論、創造性などの能力が必要である

ということが挙げられます。

人間の知能を示す重要な指標

数学は、論理的な思考や推論、創造性など、人間の知能を示す重要な指標です。そのため、AIが数学の問題を正しく解くことができるということは、AIが人間の知能と同等レベルの能力を備えていることを示唆すると言えます。

例えば、AIが以下のような数学の問題を正しく解くことができれば、AIが人間の知能と同等レベルの能力を備えていると言えるでしょう。

  • 2x + 3 = 7
  • x2 + y2 = 1
  • 2進数で表すと、1011は11進数で何を表すのか?

さまざまな分野の課題を解決するために必要

数学はさまざまな分野の課題を解決するために必要です。そのため、AIが数学の問題を正しく解くことができるということは、AIがこれらの分野の課題を解決するためにも利用できる可能性があることを示唆すると言えます。

例えば、AIが以下のような数学の問題を正しく解くことができれば、AIがさまざまな分野の課題を解決するために利用できる可能性が高まると言えるでしょう。

  • 工学における、構造物の強度や耐久性を計算する
  • 経済における、投資や金融商品の分析を行う
  • 医学における、病気の診断や治療法の開発を行う

数学の問題を正しく解くためには、論理的思考や推論、創造性などの能力が必要

AIが数学の問題を正しく解くためには、論理的思考や推論、創造性などの能力が必要となります。これらの能力は、人間の知能を特徴づける能力であるため、AIがこれらの能力を備えているということは、AIが人間の知能と同等レベルの能力を備えていることを示唆すると言えるでしょう。

例えば、AIが以下のような数学の問題を正しく解くことができれば、AIが論理的思考や推論、創造性などの能力を備えていると言えるでしょう。

  • 数学パズルを解く
  • 新しい数学定理を発見する
  • 新しい数学モデルやアルゴリズムを開発する

このように、数学問題を解決する能力を備えたAIは、人間の知能と同等レベルの能力を備えている可能性や、さまざまな分野の課題を解決するために利用できる可能性など、さまざまな点でAIのブレイクスルーと言えると言えます。

AGIとは

AGI(Artificial General Intelligence、人工汎用知能)は、人間のような幅広い知識や能力を持つ人工知能のことです。AGIは、あらゆるタスクや領域で人間と同等またはそれ以上の知能を持つことを目指しています。

具体的に言えば、AGIは以下のような特性を持ちます:

  1. 幅広い能力: 人間が持つ多様な知識やスキルを持つこと。例えば、言語理解、抽象的思考、感情の理解、物理的な活動、創造性などの能力を含みます。
  2. 柔軟性と汎用性: 様々な領域で新しい問題に適応できること。例えば、新しい状況に対応する、異なるタスクを学習する、多様な環境での適応などです。
  3. 学習能力: 経験を通じて成長し、新しい情報を学び、問題に対する対応を改善する能力。過去の経験から学び、新しい状況に適応することが重要です。
  4. 創造性と問題解決能力: 新たなアイディアを生み出し、複雑な問題に対処する能力。新しい解決策やアプローチを考え出すことが含まれます。

AGIは、従来のAIとは異なり、あらゆるタスクに柔軟に適応できる普遍的な知能を目指しています。しかし、現時点ではこのような完全なAGIを実現することは難しく、技術的、倫理的、哲学的な多くの問題が未解決のままです。

「Q*(キュースター)」はAGIではない

上記の通り、AGIとは汎用人工知能であり、Q*(キュースター)を「数学問題を解決する能力を備えたAI」という定義にとどめるならば、別物となります。AGOは「数学問題を解決する能力を備えたAI」の先に見えるものなのかもしれません。

まとめ

  • Q*(キュースター)は、OpenAIのプロジェクト
  • 今のところわかっているのは「数学問題を解決する能力を備えたAI」ということ
  • Q*(キュースター)は、AGIというより、AGIへの大きな足掛かり

Q*(キュースター)が噂話としてここまで人がったのは、「なんだかわからないもの」だからだと思います。未知のものへの期待や不安は大きく膨らみます。OpenAIの周りの人々もその効果を狙って、噂話を野放しにしているのではないでしょうか。その方が注目を集められ、自分たちが人類の未来をつくるというモチベーションにもなっていると思います。