検索拡張生成RAG(Retrieval Augmented Generation)って何?
- 2024.02.27
- 用語解説
過去記事【LLM】ハルシネーション調査報告【AIの嘘】にてRAG(Retrieval Augmented Generation)というものが出てきたので調べました。
目次
検索拡張生成 RAG(Retrieval Augmented Generation)とは
検索拡張生成とは、検索ベースの人工知能 (AI) モデルと生成ベースのAIモデルを組み合わせた、自然言語処理 (NLP) ベースの技術です。この技術は、既存の知識源から情報を検索し、その情報を処理して統合し、人間のような言語で独創的な回答やコンテンツを生成することができます。
検索拡張生成の仕組み
- まず、検索モデルがユーザーのクエリに関連する情報を、新聞記事やデータベース、Wikipediaなどのオンラインソースから抽出します。
- 次に、生成モデルが検索モデルが得た情報を入力として受け取り、すべてのデータを統合して、文脈に沿った明解な回答やコンテンツを生成します。
検索拡張生成のメリット
- 検索モデルによる最新の関連性の高い情報により、生成モデルの回答やコンテンツは、生成モデルのみが使用したものよりも正確
- 検索モデルと生成モデルを組み合わせることで、複数の情報源の情報を集約
- 検索モデル単体の場合とは異なり、検索拡張生成は会話の文脈を意識するため、文脈に沿った関連性の高い回答やコンテンツを生成できる
- 検索拡張生成は、既存の知識ソースを使うため、大量の学習データが不要
- 初回の検索フェーズで文脈を絞り込むため、生成フェーズで処理が必要なデータ量が減る
検索拡張生成の活用例
- 顧客の問い合わせに対して、よりパーソナライズされた回答を提供でき、高度なチャットボットやバーチャルアシスタントの構築に使用することができる。
- 生成機能を内外の関連する情報源からの情報検索と組み合わせることで、ブログ記事、製品カタログなどの、専門的な要約作成に役立てることができる。
- 新着ニュース、業界の調査報告、ソーシャルメディアの投稿など、インターネットで利用可能な大量のデータからインサイトを収集することで、市場動向の把握、競合他社の分析などが可能。
- バーチャル営業アシスタントとして、在庫品に関する顧客からの質問回答、製品仕様の検索、操作説明など、一般的な購買支援が可能。
- 従業員が専門知識の中央リポジトリ(ノウハウ)を作成し共有できる。
検索拡張生成のリスク
RAGは知識ベースやウェブ検索などの外部情報源を利用して、LLMの生成を補強できるもので、つまりは誤った証拠が生成フェーズに伝播することで、ハルシネーション(LLMが誤った情報を出力してしまうこと:幻覚)を生じさせるリスクもある。そのため、RAG自体のの改善や、他の補強戦略の探索が必要となります。
以上が、検索拡張生成です。検索拡張生成は、検索ベースのAIと生成ベースのAIを組み合わせることで、より正確で関連性の高い、人間が行ったような独創的な回答やコンテンツを提供する画期的な技術です。この技術は、自然言語処理の分野で多くの応用が期待されています。
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