学校での生成AIの活用事例 教育の場でAIを使うということ

  • 2024.02.27
  • AI
学校での生成AIの活用事例 教育の場でAIを使うということ

生成AIとは、人工知能(AI)がテキストや画像、音声などを自動的に生成する技術のことです。OpenAIやチャットGPTといった単語を見かける機会も増えてきたのではないでしょうか。

生成AIは、従来のAI技術では不可能だったことを可能とする革新的な技術であり、さまざまなビジネスに影響を与えると予測されています。そして教育現場においても、利用方法は多くあります。

では、生成AIは学校でどのように活用できるのでしょうか?また、生成AIを活用することでどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?

この記事では、生成AIの学校での活用事例と注意点について、以下のように解説していきます。

教育現場でのAI

教育の現場とは、すなわち子供がAIを吸収する場であり、どのようにAIと触れるかが、将来の生活に影響することを考える必要があります。

よって教育現場においては、「AIの使い方」とともに「AIとはどういったものか」を教える必要があります。

現状、社会人でもAIに触れて、使いこなせる人は多くないため、「教える」といったものよりも、使い方を示すことで、肌でAIとの付き合い方を感じてもらうほかないかもしれません。

生成AIの種類と特徴

生成AIには大きく4種類があります。具体的には、テキスト生成画像生成動画生成音声生成に分けられます。

テキスト生成

テキスト生成AIとは、機械学習と自然言語処理技術を組み合わせて人間が理解できる自然なテキストを生成するAIです。文法ルール・語彙知識・文脈などを考慮して、使い方や意味が適切な文章を作成します。コンテンツ制作や文書作成など、多岐にわたって活用されています。

ChatGPTや、bing(Microsoft Copilot )が該当します。文章に特化しており、初等・中等教育であれば外国語の文法問題のたたき上げなどに活用できるほか、グループディスカッションでの話題軸の洗い出しに使えます。

画像生成

画像生成AIとは、AIを用いて新しい画像を作成する技術です。主に機械学習やディープラーニングを活用して既存の画像データからパターンや特徴を学習し、新しい画像を生成します。画像生成AIは、デザインや画像編集・映画やゲームの効果など多くの分野で活用されており、効率的で創造的な画像作成の方法として活躍が期待されています。

Dall-E3や、midjourney 、StableDiffusionそして喫緊ではテキスト入力から即時生成できるSDXL Turboなどが発表されています。

図解の生成や、グラフ生成、等が短時間で可能です。

動画生成

動画生成AIとは、動画やテキストから新しい動画を生成するAIです。アメリカのランウェイリサーチ社は、2023年2月に動画生成AIモデル「Gen-1」を発表し、3月にはテキストから動画を生成する「Gen-2」を発表しました。しかし、動画生成AIには学習データの著作権問題などの課題があり、商用サービスとしての実用化はまだ難しいとされています。

動画生成は、クリエイティブの現場でも活用が難しく、個人での利用は現状、現実的ではありません。しかし将来的にグラフや、図解といったもののが生成動画に変わる可能性はあります。現在のYoutubeがそうであるように、動画資料として生成AIでの動画の台頭は近いです。

音声生成

音声生成AIとは、指示通りに人工的なナレーションを生成するAIです。動画編集時にナレーションを追加したいというときに、AIを代替手段として活用できます。また、音声生成AIを利用することで、個人情報の保護にもつながります。

文章読み上げ、リスニング資料生成、行事進行のアナウンス生成等、人員を割く必要がなくなります。

生成AIの学校での活用事例

生成AIは、学校でどのように活用できるのでしょうか?実際に、生成AIを教育現場で活用している事例をご紹介します。

  • 個別指導:生成AIは難解な学習内容に関して、学生ごとに個別の指導を行えます。例えば、英語の文法や単語の意味、発音などをチェックしてフィードバックを与えたり、英会話の相手として対話をしたりすることができます。 生成AIは、学生のレベルやニーズに応じてカスタマイズできるので、効果的な学習支援ができます。
  • グループディスカッション:生成AIは、グループディスカッションの際に、気付かなかった論点を洗い出すために使えます。例えば、社会問題や時事問題についてディスカッションするときに、生成AIに質問を投げかけることで、異なる視点や意見を得ることができます。 生成AIは、学生の思考力や表現力を高めるのに役立ちます。
  • 発展的学習:生成AIは、発展的学習として、生成AIを活用した高度なプログラミングを行わせることができます。例えば、生成AIを使って自分の好きなテーマやジャンルの文章や画像や音声を生成したり、生成AIの仕組みや原理を理解したりすることができます。 生成AIは、学生の創造力や論理力を育むのに役立ちます。

生成AIの学校での注意点

生成AIは、学校で活用することで多くのメリットがありますが、同時に注意点もあります。生成AIを学校で利用する際には、以下のような点に気をつける必要があります。

  • 生成AIの回答は必ずしも正確ではない:生成AIは、学習したテキストデータに基づいて回答を生成しますが、その回答は必ずしも正確ではありません。生成AIの回答には、誤りや偏りが含まれる可能性があります。 生成AIの回答を鵜呑みにせず、人間の判断や検証が必要です。
  • 生成AIの利用は著作権や倫理に配慮する:生成AIは、既存のテキストや画像や音声などを参考にして新しいものを生成しますが、その過程で著作権や倫理に関する問題が発生する可能性があります。 生成AIの利用は、著作権や倫理に配慮し、適切な引用や出典を明記することが必要です。
  • 生成AIの利用は教育目的に限る:生成AIは、教育目的以外にも、悪意や不正な目的に利用される可能性があります。 生成AIは、教育目的に限って利用し、他人や社会に損害を与えないようにすることが必要です。

以上が、生成AIの学校での注意点です。生成AIは、学校での教育において、多くの可能性を秘めています。しかし、生成AIの利用には、責任と配慮が伴います。生成AIの利用に関する暫定的なガイドラインを参考にして、生成AIを適切に活用しましょう。

初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン

上記ガイドラインでもあるように、「たたき上げ」の使用を心掛け、必ず使用の際にはチェックが必要となります。

AIを使う際に「出来上がったものを必ず添削する、チェックする」という姿勢も含めてのAI教育となるでしょう。