AIの民主化の中心はMetaなんじゃね?
- 2024.02.27
- AI
2023年秋にOpenAIとMicrosoftがそれぞれAIのカスタムパッケージを展開し、「どれだけ多くの人へAIを触ってもらえるか」が今後のAI覇権の指標になりつつある中Meta(旧Facebook)は7月に自社で開発してきたLLMのLlama2のソースコードを商用利用可能な形で公開しました(一部制限あり)。
その前にも、手書きのたイメージをアニメーション化するAI「Animated Drawings」を2月にオープンソース化するなど、MetaのAI部門はオープンソースを基本戦略としています。
MetaのAI戦略を考えてみます。
MetaのAI
オープンソース
自社イベントのMeta Connectで、CEOのマーク・ザッカーバーグが一連の新サービスや新製品、ビジョンについて語った後、同社CTO(最高技術責任者)のアンドリュー・ボズワースはインタビュー内で「オープンソース化は今のところ、われわれにメリットしかもたらしていない」と答えています。
精度より速さ
画像生成AIのEmuについても、要望に沿った画像生成の精度を競っている他社に対し、「速さ」に注目しており、ザッカーバーグは「5秒で生成できるが、それでも日常的にSNSを使う人は待たされると感じるようだ」と話しています。
AIの目的
Meta Connectで発表されたAIは、ユーザーとの1対1での応答に応えるものではなく、キャラクターを持った(あるいは専門性のある)別人格としてコミュニケーションを図るもののようです。
道具としての利便性でなく、多くの人(人種、国、世代に関係なくが触ることができ、経験を共有できるものにしようとしているのではないでしょうか。
Metaの自社サービス
Metaといえば旧Facebookとして、30億人近い利用者を誇る世界トップのSNSであり、WhatsAppも第3位で25億人をほこります。次いででInstagramが来るなど、コミュニケーションプラットフォームです。(sns利用者数:総務省情報通信白書)
日本でも、Twitter騒動の際に話題になったThreadsもメジャーとはいえないものの、「TikTokっぽい」Instagramのリールはそのまま運用されています。
自社での持ち物を伸ばすための戦略として、「コミュニケーションを活発化させるAI」の開発が、Metaの主軸でしょう。(メタバーズはどこへいっったのでしょうか)
MetaのAIと今後の世界のAI
OpanAIとMicrosoftがそれぞれGPTsや、copilot studioを発表したように、AIの発展の新たな段階として「どれだけ多くの人へAIを触ってもらえるか」というステージに入った中で、それよりも前からオープンソースを実施し、AIのステージと会社の命題が一致したMetaの今後は一番広くAIの未来を見通せるものかもしれません。
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