AIの言語モデルと企業の勢力図【Microsoft,Google,Meta)

  • 2024.02.27
  • AI
AIの言語モデルと企業の勢力図【Microsoft,Google,Meta)

AI言語モデルとは、自然言語を理解したり生成したりすることができるAIのことです。近年、大規模なデータを使って訓練されたAI言語モデルが次々と登場し、さまざまな分野で活用されています。

しかし、AI言語モデルの開発や提供には、多額のコストや技術力が必要です。そのため、AI言語モデルの競争は、主に巨大なテック企業や研究機関の間で行われています。では、現在のAI言語モデルの勢力図はどうなっているのでしょうか。

この記事では、最新の情報をもとに、AI言語モデルの主要なプレーヤーやその特徴について紹介します。

OpenAI

OpenAIは、人類全体の利益を目指す非営利の研究機関です。OpenAIは、GPTシリーズと呼ばれる大規模なAI言語モデルを開発しており、その性能やスケーラビリティは世界最高水準です。

GPT-3は、2020年に発表された1750億パラメーターのAI言語モデルで、自然言語処理のさまざまなタスクにおいて高い精度を示しました。GPT-4は、2022年に発表された1兆パラメーターのAI言語モデルで、GPT-3よりもさらに多様なドメインや言語に対応できるようになりました。

OpenAIは、GPT-3とGPT-4を基盤として、ChatGPTという会話型AIを開発しました。ChatGPTは、人間と自然な会話ができるだけでなく、文章やコードや画像なども生成できる万能なAIです。ChatGPTは、2022年秋に一般向けにリリースされてから爆発的な人気を博しました。

OpenAIは、自社のAI言語モデルをクローズドソースとして提供しており、利用するには料金が発生します。また、OpenAIはマイクロソフトと提携しており、マイクロソフトのクラウドサービスであるAzure上でOpenAIのAI言語モデルを利用できます。

Meta

Metaは、Facebookから改名したテック企業です。Metaは、Llamaシリーズと呼ばれる大規模なAI言語モデルを開発しており、その性能やオープン性はOpenAIに匹敵します。

Llama-1は、2022年5月に研究者向けに公開された1750億パラメーターのAI言語モデルで、GPT-3と同等の精度を示しました。しかし、Llama-1は数日後に4chanにリークされてしまいました。Llama-2は、2023年7月に一般向けに公開された2100億パラメーターのAI言語モデルで、GPT-4と同等かそれ以上の精度を示しました。

Llama-2はオープンソースとして提供されており、無料で利用できます。また、Llama-2はクラウド事業者ともパートナーシップを結んでおり、Azure(Microsoft)AWS(AMAZON)Google Cloud Platform上でも利用できます。Metaはオープンソースの支持者であり、優秀な研究者やデベロッパーを惹きつけています。Metaは、Llama-2をAI産業のインフラ的存在に育て上げたいと考えています。

Google

Googleは、検索エンジンやクラウドサービスなどを提供するテック企業です。Googleは、PaLMシリーズと呼ばれる大規模なAI言語モデルを開発しており、その性能や多言語対応は他社に引けを取りません。

PaLM-1は、2020年に発表された1100億パラメーターのAI言語モデルで、自然言語処理のさまざまなタスクにおいて高い精度を示しました。PaLM-2は、2021年に発表された1500億パラメーターのAI言語モデルで、PaLM-1よりもさらに多くの言語やドメインに対応できるようになりました。

Googleは、自社のAI言語モデルをクローズドソースとして提供しており、利用するには料金が発生します。また、Googleは自社のクラウドサービスであるGoogle Cloud Platform上でのみ自社のAI言語モデルを利用できます。Googleは、自社のAI言語モデルで他社のクラウドとの差別化を図ろうとしています。

まとめ

以上が、現在のAI言語モデルの勢力図です。OpenAIやMetaやGoogleなどが大規模なAI言語モデルを開発し、それぞれ異なる戦略やビジョンを持っています。AI言語モデルは、人間の言語能力を超える可能性がありますが、その一方で倫理的な問題や安全性の問題もあります。AI言語モデルの競争は今後も激化していくでしょうが、その影響や責任についても考える必要があります。